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2010.10.13

「15×24」

 これはやっぱり、横一列に並べたいので。
 いつもより画像は小さめに。


15×24(link one):楽天ブックス
15×24(link two):楽天ブックス
15×24(link three):楽天ブックス
15×24(link four):楽天ブックス
15×24(link five):楽天ブックス
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 全員が「つながって」いる。

 全6巻、読破。長いこと積んでいたのを、ようやっと崩しました。
 新城カズマという作家はわたくしだいぶお気に入りであります。どれくらいお気に入りかというと、ずっとずっと昔、オフ会に行ってしまったくらいには。
 いろいろな方面からのいろいろな評価がある人物ですが、私にとってはやはり小説家。最初に読んだのは当然というか「蓬莱学園の初恋!」でした。
 ちなみに一番の気に入りは「狗狼伝承」です。

 つまりは、あまり衒学的ではない、ストレートなメッセージ性のある、ライトノベル寄りの作品。舞台は現代日本。が、良いのです。むつかしい会話が続くと、疲れてしまうのです。「サマー/タイム/トラベラー」も「星の、バベル」も面白く読みましたし、好きですけれども。

 実のところ、新城カズマのこのへんの作品はライトノベルではなく、正しく「ジュヴナイル」なんじゃないかなあと思います。
 頑張る少年少女。格好良い大人。日常からの逸脱。痛みを伴った成長。

 それらがおそらくは全部入りだろうな、と予想できたこの本。まとめ買いしたものの、もったいなくて読めずに積んでしまっていたという。

 一通の自殺予告メールから始まる、15人の24時間。都内を右往左往。クロスして、すれ違って、行き逢って、行き違って、どんどんどんどんもつれていく絡まっていく糸。
 やー。掛け値無しに面白かったです。
 15人分の一人称が、しっかりと見分けられる、読み分けられる(しかも読んでいてちゃんと面白い、楽しめる趣向になっている)のが、流石だなあと。

 素晴らしく群像劇していた序盤がとにかく素晴らしかった。
 膨れ上がっていく、転がり落ちてとめられない、事件の拡大。思わぬところで足を突っ込んでしまう闇。交錯する思惑。
 キャラの魅力も十二分であります。萌え燃えはやっぱり徳永準と笹浦耕。あと伊隅賢治はいい壊れメガネでした。おにゃのこはみんな可愛いですが(私市陶子は怖かった……)個人的に温井川聖美ちゃんを応援。彼女の「うざい」「きもい」についての見解、ここまで腑に落ちるものは、他には無い。と思う。
 サブキャラも誰も彼もがいい味を出していて、有働とかもう最高でした。ファブリ氏の怖さも素敵だった。
 そして、枯野透。3巻冒頭は、名場面すぎます。クライマックスでの耕の言葉を見て、再度、物語の発端部分を読み返してしまった。そうだよな、そうだよね。ここが大きな舵。

 かく魅力的なキャラクター達、だったのですが。
 後半になると、一人称を担当するキャラが絞られてしまい(各々に出番があるにはあるけれど、キャラにより割かれるページの差が大きすぎ)いわば主役級が決まってしまって、ちょっと物足り無さというか勿体無さを感じたりもしました。
 それと、ああ、新城カズマだなぁ……と、ちょっと諦めた気持ちで思ってしまう、その手の場面。なにも最終巻の中盤になって突っ込まなくても。

 しかしクライマックス、決着は、そこまでの欲求不満をきっちりと吹き飛ばしてくれる盛り上がり。再び全員の(と言っても実質12名だけれど)一人称リレーで語られる、24時間後の彼ら自身の想いのありか。
 堪能いたしました。

 その他、叩かれがちなポイントとしては、細かなエピソード、意味有りげな人物、散りばめられた謎のすべてを、きっちりと拾いきることはしていないあたりでしょうか。
 不満に感じられる人も居るかも。私としては、物語の収拾に必要なピースはすべて埋まっているので、全然OKでしたが。
 なにもかも全てを答え合わせしなくてもいいじゃない。
 物語の根幹において、誠実であってくれるのならば。

 あれっ気がついたら長文だな。
 最後にひとつ、言うとしたら、やはりこれはライトノベル、ヤングアダルト、ジュヴナイル。
 もしも私が今の時代に中学生or高校生として生きていて、この小説に出逢ったとしたら、間違いなく救われていた。
 だから、今の時代の、私ではないどこかの誰かである「私」に届いて欲しい。
 読後、ただそれだけを思う。
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