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2011.12.13

ぶんがくてき

 ミステリのつもりで読んでいたのに、経歴を見直したら純文学系の人だったりして。

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ピエタ
 ミステリの文脈で読んで良し、文学の香りを楽しんで良し。
 舞台は18世紀、ヴィヴァルディの死から物語は始まる。彼と関わった幾人かの女性の生きかたが綾なす模様を楽しみ、また、そこに隠された小さな謎……というより、秘密の行方を探すことを追っていくスリルもある。
 ピエタとは、ヴェネツィアにあって孤児たちを育てる慈善院の名前で、そこで音楽的に優れた素養を持った少女は、合奏・合唱部として、才能に磨きをかけていく、という。これだけでも充分に面白いけれど、さらにはピエタを取りまく、またヴィヴァルディを取り巻く女性たちを描写することによって、ヴィヴァルディの人物像が織り上げられていくのがスリリング。登場する女性たちはみな孤高であり、それゆえに美しくて、読んでいて背筋を正したくなるのだけれど、決して説教くさくはない。
 最後に謎が明かされた時の、物語全体にさあっと光が差し込むような感覚は、なかなか味わえないもの。ミステリにおける、真相が明らかになった瞬間のカタルシスのみならず、恩寵のような、祝福のような。
 忘れ難い一冊になると思います。
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