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2011.12.17

世界に引っ張り込まれると

 戻ってくるのが大変。
 ましてやクライマックスになると、もう、トイレにも行けません。あほです。いつでも読むのを止められるはずなのに、やめられない。止まらない。

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開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)
 皆川博子は初めて読むかなぁ。今年のミステリ関係の賞界隈で話題になっている本の一冊。
 このタイトルだけだとなにやら和風なお話かと思うんですが、どっこい舞台は18世紀ロンドン。解剖医とその弟子たちを中心に進んでいく。他に、物語前半では詩人志望の少年の視点、後半からは実質の探偵役である治安判事ジョン・フィールディングの視点が挿入されて、さまざまに交錯しつつ、綾なす物語。
 この判事がなんと盲目であり、発達した聴覚と触覚、そして助手にして部下である姪に頼りつつ捜査を進めていくという、とても面白いキャラクターでした。渋格好良すぎる。そして亡くなった妻とのエピソードが渋変態すぎる。どうなのこれ。
 世間知らずで天然な中年解剖医と、その師匠をとにかく慕う弟子たちも、なかなかの和み。生意気だけど傷つきやすい、一昔前の少女マンガでは肺病患って死にそうな(ヒドイ)詩人の少年もいい味。
 しかし、ミステリの体裁ながら、どの視点のキャラクターも今ひとつ信用が置けない描写が為されているので(視点キャラにしても安心して身を委ねきれない)、もぞもぞ、うずうずしながら読む感触。それもまた、面白し。
 最終的にすべての伏線が繋がって、クライマックスの快感は素晴らしかったです。若干の苦味も旨味。甘味も旨味。いずれにせよ、大人の味。
 美味しゅうございました。
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