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2009.02.14

自覚してはいるけれど

 お品書き:「ガール」「とんび」「ぼくのフェラーリ」

 いろいろ鬱々と考えておりました本日。対象とすべき読者層と自分とのずれ。それにコメントする場合は、基本的に自分の立場をつまびらかにしつつ「個人的には」と付けているわけですが。
 逆手に取って、でもそれって所詮は少数派意見だよね貴方が自覚している通りね。と押し込められては、やっぱりもやっとするわけですよ。


ガール
 以前読んだ「最悪」とはテイストが全然違うとのことで、読んでみました。短編集ですが、テーマは一貫。独身30代女性、職場は大企業、高給取り。な、ヒロイン達。これ、いっそ同一会社内でのオムニバスにしちゃえば良かったんじゃないですかね。職場の居心地が悪いと言っても、あからさまなセクハラやパワハラを受けるのは一話目「ヒロくん」の主人公くらい。……ああそうか、周囲の登場人物もおっとりした大企業のエリートさん達だから、自重して、こういう環境になるのか。そういう意味で、正確な描写。上手いな。
 しかし私には、どうしても好きになれない本でした。ええ底辺派遣社員の僻みと受け取っていただいて結構ですよええ。ただ、これに感情移入するのが、30代女性の総意と思われたら困る。個人的には(古い作品ですが)「パラダイス・サーティー」や「女たちのジハード」あたりの方が、感情移入度合いはずっと高かった。
 この「ガール」と、今挙げた二作品との差異は、ヒロインが新たな階梯へと踏み出さないこと。「ガール」であることを肯定し肯定されて、安心する。それで終わってる。
 って、ああ、なんだ! だからもやっとしていたんじゃないか! 書いてみて自分で納得。
 そして、2chレス。
  >ファッションに血道を上げる一般女性に共感できない活字中毒喪女には
  >男性視点「マドンナ」のほうが面白かったなあ

 これに尽きるんだな、つまり。
 小説としては面白かったので、懲りずに「マドンナ」を読んでみようと思います。次回。


とんび
 これは「父親」、ひいては「親」という立場の経験があるかどうかで、読み手の感情移入度が全然違うと思う。
 どちらでもなく、どちらの立場に憧れたこともない私には、普通に面白い人情ものの小説。という感想しか出てこなかった。全編通して、主人公である父親の視点のみ(というよりは、彼に肩入れした神の視点)で語られるのも、少々好みに合わず。寓話的な雰囲気を打ち出す狙いは分からなくもないけれど。
 息子の行動原理と、逡巡をもう少し分かりやすくして欲しかったな、と。唐突に父親を置いていくことに違和感を抱かずにはいられなかったので。そこに至る葛藤を見せて欲しかった。あえて排することで作品の一貫性が上がっているのは、承知の上で。
 ……そうか。語り口といい、息子の描写といい、泣かせシーンといい、技巧的な仕掛けがちょっと鼻について、のめりこめなかったのかも。


ぼくのフェラーリ
 手加減の無い児童小説は、無条件で好きです。その手加減の方向性にもよるのはもちろんですが。
 で、この作品の場合、冒頭、一連のフェラーリの描写が楽しかった。注釈が懇切丁寧で、参照しながら読むもよし、勢いに任せて読み流すもよし。車が好きな男の子が読んだら、とても楽しめるんだろうなあ。
 物語は、割と一発ネタもの。過去のエピソードひとつ、現在の事件ひとつ。単純明快な構図。まあとにかくフェラーリの格好良さ、おばあちゃんの気風の良さ、おじいちゃんの純情を味わうが吉。

 ■本日のBGM■

 BGMと言いつつPVですが。本当に手動。マウスカーソルが健気。

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