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2010.02.16

タナトスタナトス

 お品書き:「赤い指」「新参者」「『クロック城』殺人事件」

 人が死ぬ小説ばっかり読んでるなあ。ミステリだからしょうがないっちゃしょうがないんだけど、死ぬことには死ぬなりの、なんだろう重量感が欲しいというか。
 基本的にわたくし「死」が好きなので、味わい尽くしたいというのがありますね。きっと。記号として転がる死体じゃない、手ごたえのある「死」は、ミステリにおいては稀少ですが。


赤い指:楽天ブックス
 直木賞受賞後第一作目ですって。
 気負いがあるのか無いのか、まあいつもの東野圭吾で、いつもの加賀恭一郎。ただ、いくぶん時代におもねるような道具立てを持ってきているのが、若干鼻につくかなあと。
 しかし……読んでいて、事件そのものは割とどうでもよくて、ただ加賀とその父の関係性にひたすらときめいておりました。ハードボイルドな親子だなあ。そして、この部分を読むためだけでも、シリーズを刊行順に読んできて良かったなあ。と思ったのでした。


新参者
 やっと追いついた加賀恭一郎シリーズ最新刊。ドラマ化より先に読みたかったのです。いやドラマを見るためではなく、ドラマの周囲から情報がこま切れに耳に入ったらいやだなあという理由で。
 ここ数冊の重さ、渋さが、人情や下町情緒へと置き換わって、しかし決してあざとさは無く、むしろシリーズ新境地として個人的には歓迎したい方向。加賀の推理(という言葉が若干そぐわない気がするのは何故だろう)の確かさも健在で、カタルシスも有り。オムニバスから長編へのつなげ方も文句無し。
 巷の評価通りの一冊でありました。
 これで加賀恭一郎シリーズを一通り読破したことになるけれど、個人的に、やはり出来栄えとしては「新参者」が一番かなあと思います。どきりとさせられたのは「悪意」、面白かったけれど後味で減点が「嘘をもうひとつだけ」。犯人当ての二作品も割り切って楽しめる。そんなところかな。


『クロック城』殺人事件:楽天ブックス
 初・北山猛邦であります。メフィスト賞作家、しかも設定が多分にイロモノの雰囲気を醸し出していて、興味を抱きつつ敬遠していたという。しかし意を決して(というほどのアレでもないけれど)読んでみまして。
 いや、なんだろうね。世界の終焉なんて、もう、ミステリのフレーバーとして使われちゃうようなものになったんだよね。と、なんだか感慨深い。とりあえず、読み通すことは出来たし、終盤のどんでん引っくり返しは、ちょっとパラダイム・シフトの感覚を味わえて、楽しかった。物理トリックものは昨今貴重だし、もう一、二冊くらい読んでみてもいいかもしんない。
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